元素とは現代物理学では「化学物質を構成する基礎的な成分、要素」と定義されています。原子との違いは、原子は構造的な概念であるのに対して、元素は分かりやすく言えば周期表の枠に当たる部分の事で、特性の違いを示す概念として用いられています。例えば原子番号が1の水素には軽水素原子、重水素原子、三重水素原子の三種類が存在し、いずれも同じ元素である水素に属しますが、質量数が異なるグループなので同位体と呼ばれています。周期表の中で表わされる原子量は、同位体の存在確率に基づくもので、原子単体のものではありません。つまり周期表は元素の周期表なのです。歴史的には、元素に関しては古代から世界中で様々な説が唱えられて来ました。古代ギリシアでは万物の根源にアルケーという名を与え、四元素説(水、空気、火、土)が提唱され、ルネサンスには錬金術の三原質(塩、硫黄、水銀)と四元素説が融合した五元素説(塩、硫黄、水銀、土、水)となりました。それ以前にはアリストテレスと同時代のデモクリトスという学者が唯一「アトム論」と呼ばれる「無から発生し、再び消滅する究極微粒子(アトム)から万物が構築され、その構造的変化が物性の変化となる」という説を論じていましたが、原子や分子など物質構造に関する研究は近世以降に発展して行く事になります。
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